通り過ぎた過去
ジレンマの苦痛を
味わうゼノンの背徳者
セピア色の
モノロ−グは
悪夢として蝕み
懐かしさを
その手に掴み
恐怖に震え
矛盾を抱え込み
肯定しつつも
それを否定して
理想と現実の対比
秩序と混沌の対比
本能と理性の対比
邂逅と別離の対比
私は今
記憶の琥珀の中に居る
誰かが食い尽くしに来る
君が食い尽くしに来る
私の言葉と
ありもしない同情心を
自己肯定する我儘を
無責任さで押し付けて
その記憶は私の中に
その記憶が私の中に
その記憶は侵食されず
その記憶は理解されず
その記憶を放棄せず
その記憶は他者を癒さず
その記憶で他者に癒されず
通り過ぎる過去
背徳者の苦痛を
他者は知る事も無く
独善的な理想像を
君に押し付け
私は今
記憶の琥珀の中に居る