ウィンタ−ミュ−ト

それは常に考える
果たして
この私は
「私」足りえるのか
されど
ここで考える
その存在は
各個たる「私」を
内包していると知り

それは常に考える
この「私」に
繋がる「私」を
憶える事も無く
その矛盾点が
「私」を混乱させ
されど
その「私」の存在が
「私」を生み出し
その事が
「私」を更なる
混乱へと導き

それは常に考える
その全てが
存在理由として
不可欠で
「私」の慟哭を
飲み込んで離さない
その事は常に
不確かな疑問を
生み出す基となり
「私」の存在理由に
確かな疑問符を打ち込み

それが常に考え
結果を求めても
得られる事も無く

それは常に考える
不確かな「私」を
不確かな存在理由で
現存させる物が
何処かに存在し
「私」が「私」たる
各個たる理由を求め
「私」はここで
常に考え続ける
ただ考え続ける

されど常に考え
結果を求めても
得られる事も無く