傀儡師 〜KAIRAISHI〜
世に生死有らずとも
蓬頭は傀儡なる
鵺鳴く夜の神威なれど
御魂持たぬ
宴は闇に輝々と
式鬼集いて
夜は明け
鵺鳥鳴く
吾が春の夜の
夢がごとく
天御旗かざす
月は照らされど
吾が舞うがごとく
彼の地にて
我が怨恨むがごとく
祖の現世なれど
常世、黄泉見かえりて
愚にも傀儡舞い
されど悲しきかな
吾が春の夜の
夢がごとく
怨恨むがごとく
我望むに非ず
げに悲しきは
叶わぬ身なりて
式鬼のごとく
傀られるのみなりて
我が身すらも
縛る件の糸は
天御神のみぞ知る故
識る事叶わず
吾が春の夜の
夢がごとく
坂姫舞姫が掌
かの肖像見ん輩を
掻き消すがごとく
失うなりて
己が愚すら
識る事叶わず
吾が春の夜の
夢がごとく
されど我が身の傀儡なりて
租を破らんと申し上げるが候也
吾が春の夜の
夢がごとく