深淵の恐怖の果てに見たのは
希望……それとも…?

ドラゴンヘッド

飯田譲治監督作品

出演、妻夫木聡・SAYAKA・藤木直人・根津甚八

修学旅行の帰りの新幹線の中
原因不明の災害による列車事故に巻き込まれた高校生テル(妻夫木)
気がつくと自分以外のクラスメイトが全員死んでる現状を目の当たりにし
彼は深い恐怖に落とされる
事故の生き残りは自分ひとりと思っていた矢先、別クラスの生き残りノブオと出会う
そして発狂したノブオの奇行に恐怖している少女アコ(SAYAKA)
事故現場であるトンネルの中で彼らはやがて疑心暗鬼に陥っていく
そして殺し合い…トンネルからの脱出…
更なる異変を切り抜けトンネルの闇から脱出したテルとアコ
しかし二人の目の前には想像を絶する世界が広がっていた…


俺はこの映画を見る前に原作を読んでる
以前日記に書いたように主演SAYAKAっていう時点で最初っから期待してなかった
そしてその予感はことごとく的中…

はっきり言って原作を知ってたら駄作以下
原作を知らなければ???な映画

展開が速すぎる
全編通してキャラクタ−の入れ替わりが激しい
主役二人の視点しかない
原作に比べて「これでもか!」ってくらい内容が薄い

原作では登場人物一人一人にしっかりとドラマがあった
恐らくは原作の内容を2時間に詰め過ぎたんだろう
そのせいで要所要所の展開がよくわからないものになってしまっている

テルとアコはトンネルから脱出し東京へ戻る途中
自衛官の仁村や傷頭の少年、伊豆のおばさん、暴徒の群れ
彼らと遭遇し共に旅する事によって無力感や絶望感
しかしながらこれから生きていくという希望を指針を学んでいく
だがこの映画は主人公の二人の視点しか存在してないせいで
「災害事故に巻き込まれた高校生が、自分の足で東京へ向かう」だけの物語に成り下がってしまった

飯田譲治監督の映画は「NIGHTHEAD」「アナザヘヴン」を始め
それなりに結構見てきたつもりだが
この「ドラゴンヘッド」に関しては何というか…
原作に忠実に作ったのが良かったんじゃねぇか?って感じに見てた

本作はウズベキスタンでロケを敢行したそうだけど
えらい金かけてSAYAKAのプロモビデオ撮らなくてもいいだろうに…
何度も言うがこれは本当にそれだけの価値しかない駄作

実はF君と一緒に見てたんだけど
奴はこんな事を言ってた
「なんかさ、これってSAYAKAが主演じゃなかったらもっと面白かったかもね
絶対に裏で神田○樹が動いたな…そうとしか思えない
娘売り出す為なら何でもやるんだねあの家族は…」

全くもってその通り!

俺は邦画が結構好きだ
だからもうこんな駄作は勘弁願いたい
邦画の強みは重くて濃い(濃すぎる場合もあるが)内容なんだと思う
その邦画の良さ、強みをこんな形で損なわないで欲しい

原作のファンの皆さんでまだ見てない人達へ
原作を期待して手を出す映画じゃありません
金の無駄遣いはしない方が得です!