押井守監督作品
主演・千葉繁、田中秀幸、鷲尾真知子、玄田哲章…他
「1995年夏、人々は溶けかかったアスファルトに己が足跡を残しつつ歩いていた
酷く暑い…」
「人狼 JIN-ROU」に繋がるこの物語
かつて犯罪者を震え上がらせた武装警察
「ケルベロス部隊」
世論の猛反発を食らった彼らは最終的に「武装解除・部隊解散」の憂き目にあう
そして彼らは主人の手に噛み付いた
後の世に忌まわしい響きで伝えられる「ケルベロス騒乱」
主人公の都々目紅一(千葉)と鷲尾翠(鷲尾)・鳥部蒼一郎(田中)は
治安部隊に敗れ武装解除を余儀なくされたケルベロスから脱走
負傷した鷲尾・鳥部を残し都々目紅一は国外へ逃亡する
そして5年後…
不思議な街
無気力な市民達
猫のレリ−フを持つ公安
孤立した主人公は宛も無く放浪しています
映画としては「C級以下」と酷評されたものなんですが
全体を通してこの映画は凄く好きです
都々目紅一の逃亡中
かつて彼の部下だった乾は彼を追って台湾に入国する
自分の目の前で逃亡した都々目紅一に
「何故逃げたのか」と質問するタメ…
台湾の地で乾は都々目紅一の元同居人である少女タンミィと出会う
乾・都々目紅一・タンミィはしばらくの間家族のように過ごすのだが…
「お前…まだ解ってねぇの…?オレがタンミィを拾ったんじゃねぇよ…
あの娘がオレやお前を拾ったんだ…」
主人を求め続けた犬は、ようやっと求めた主人と出会えたんでしょうが
結局はそこからも離れなければならない
劇中で乾はこんな事を言ってます
「群れから逃げ出して…家を借りたり…女と出会ったり…この5年間…一体何やってたんだ…」
多分自分の行動に絶対の自信を持っていた都々目紅一と違い
乾は常に自分と周囲の行動に疑問を感じていたのでしょう
全編通して定義しがたい映画です
メッセ−ジ性も大して無く
結構無駄な描写が延々と続いてたりします
強いて特徴を挙げるなら
「ケルベロス」は本物の銃を使用(空砲)してアクションシ−ンを撮ったくらいでしょうか?
多分、初めて見る人からすれば
「?」となってしまう作品かもしれません
得体の知れない空虚感に包まれながら…