前編
高校のとき※船乗ったんですよ
※注:マグロ漁船じゃないです念のため
TV局主催で「○○の船」っていう交流会イベントやってるじゃないですか?
うちの担任、何をトチ狂ったのか
先「あ〜○○、今度の冬休みIBC(岩手のTBS系列局)の「少年の船」行ってくんないか?学校代表で」
なんだと!?
マジ信じらんね!マジ信じらんね!
よりにもよって学校代表なのかよ!
他にも生徒会長とかいるじゃんよ!
部活動でインタ−ハイ行った選手とかもいるじゃんよ!
なんでピンポイントで俺選ぶんだよ馬鹿セン!
後々聞いたら
「あ〜…何となくお前が一番声かけやすかったんだよ(笑)」
なんだそうでした
かっこ笑いじゃねぇよ
そんなこんなで折角の冬休み潰して行ってきましたよ
「○○の船」って銘打ってますけど
サイパンとか行くわけではなく
東京晴海埠頭を出航して3日かけて岩手県大船渡港に戻ってくるという
微妙にショボイイベントなわけですが
何はともあれ始めての船旅
自分的にドキドキものです
船旅と銘打ってますけど行程全部船で過ごすわけではなく
初日は県内の宿泊施設で顔合わせ(県内全域から集まる為)
2日目は移動で盛岡→東京晴海埠頭までバス内で過ごす
二日目の夕方に船に乗船したんですが
とりあえず錨は下ろしたまま船内客室で一晩過ごす
※三井客船に乗ったんですが、6人部屋にしては予想以上に部屋は広くいい感じでした
初めての客船で船酔いを第一に心配してたんだけど
船内は比較的穏やかで「何だこんなもんか」って余裕ぶっこいてたんですが
翌日それが命取りに!
3日目で初めて出航
船は錨を上げて、自分らはデッキから紙テ−プ投げたりして
同室の人間とも仲良くなりそれなりに楽しい
飯もそれなりに美味い
だけど一つだけ忘れていた事があった
錨を下ろしていた昨日と違い、今日の船は動いている
すなわち「揺れる」という事を
案の定「これでもか」っていうくらい見事な船酔い
俺の部屋でも3人倒れた(笑)
その結果メインイベントをやるはずの出航2日目
俺は一日中、部屋のベッドの上で過ごす羽目に…(泣)
でもいい事はあるもんで
同じ班の女の子が部屋に来て、イベントの様子をお見舞いがてら話してくれた
イベントには参加出来なかったけど自分的に至福の時間を過ごせた感じ(笑)
そして最終日
住所交換したり電話番号教えあったり
まぁ自分以外の参加者の皆様方は別れを惜しんでる様子
え?
「お前はどうなんだ?」って?
言ったでしょ?
お見舞いに来たのは女の子だって(笑)
そのときしっかり住所・電話番号GETしてましたよ(邪笑)
そんなこんなで俺の冬休みは青春とゲロにまみれて潰した訳です
後編
船酔いも治まり無事に下船し
大船渡港での全体解散式
地元での地区代表解散式
事実上イベントの全工程を終了して冬休みも終わりに近づいた頃
イベントで仲良くなった女の子(仮にRちゃんとする)とどうなったかと言うと
文通したり電話で話したり
たまに内地に行ったとき遊んだり
まぁプライベ−トで一緒に遊ぶようになったんです
その時点では凄く楽しい毎日でしたね
あの一本の電話がかかってくるまでは(泣)
冬休み明けのとある土曜日
学校も休みで船乗ったときの写真を現像に出そうかと考えてたとき
…ジリリリリリリリリリン(電話)
※うちの電話は最近まで黒電話でした
ガチャ
俺「はい、○○ですけど」
相手「あ、自分ササキ(仮名)っていいますけど、○○君居ますか?」
俺「???あの、○○は俺ですけど?」
ササキ「あんたが○○本人?」
俺「ササキ?…オメ−何ボケてんだよ(笑)」
※同名の同級生がいて、相手は声がそっくりでした
ササキ「ボケはテメェだろコラ?殺すぞ?」
はい?
ぶっ殺されるにしても身に覚えが全くありません
この時点でどうやら俺が人違いしてた事に気付いたんですけど
はっきり言って何がなんだかわかりません
俺「すんませんがね?どちらのササキさんですかね?」
ササキ「あ?何でお前にんな事言わなきゃなんねぇんだよ?」
最悪です
野郎は己の素性を明かさずに喧嘩売ってます
俺「いやさ?ぶっ殺されるにしてもよ?俺身に覚えがねぇんだけどさ?」
ここでササキ君も説明モ−ドに入ったみたいで
ササキ「テメェ「R」って女知ってんな?」
俺「そりゃ同じイベントに参加したからな」
ササキ「んで何?最近よく遊んでるみてぇじゃんよ?」
俺「俺のプライベ−トはオメェに関係ねぇだろボケ」
ここまで話してようやくピンときた俺
俺「何?オメェRちゃんの彼氏か何か?(笑)」
ササキ「そうだよボケ!テメェなに人の女に手ぇ出してんだコラ!」
うそ−−−−ん!(T▽T)
身に覚えがねぇわけだ
だって彼氏の存在知らねぇもん俺!
それから小一時間程
「彼氏居るって一言も言ってなかったし!」
「つかそもそも仲良くても付き合ってねぇし!」
を繰り返しササキ君をなだめる事に全力を注ぐ
話し終わってとりあえずササキ君も納得したみたいで
「ごめん…興奮してた俺も悪かった」
って感じで何とか和解
「それじゃ」と電話を切って一安心した直後
…ジリリリリリリリリリリン
俺「勘弁しろよまったく…」
ガチャっ
俺「はい、○○です」
Rちゃん「もしもし?○○君?元気?(笑)」
気まずい
これ以上ないくらい気まずい(滝汗)
マジ困った
こんなグッドタイミングだかバッドタイミングだか解んない状況になってしまうと
冷や汗と同時にむしろ笑いがこみ上げてくる
それから事の顛末をRちゃんに話し
Rちゃんの方からしっかり誤解を解いてくれるようお願いして
この件は終わりを迎えるのです
出航から数えて1ヶ月と数日
こうして俺のゲロと殺意と困惑にまみれまくった船旅は終わりました
…あんときゃ俺も若かった…