己の人生にかなりダブってしまう
電車男
2005年 村上正典監督作品
出演 山田孝之、中谷美紀、国中涼子、大杉漣、佐々木蔵之介、木村多江 他
その男は秋葉原になら何処にでもいる普通のオタク青年(後の電車男/山田)
SEの仕事と秋葉原探索を日課にしている彼女いない歴=年齢の典型的なオタク
いつもと同じ秋葉原からの帰りの電車の中
客に絡みまくっている酔っ払い(大杉)
その酔っ払いにからまれたOL(後のエルメス/中谷)
何の因果か電車男は勇気を振り絞り酔っ払いを止めようと彼に注意する
その後酔っ払いは駅員に連れて行かれ
警察の事情聴取を介して助けたOLに連絡先を教える事に
数日後
電車男の元に「助けてくれたお礼」としてOLからエルメスのペアカップが届く
女性と接した事がなくパニックに陥った電車男は
某掲示板サイト(ぶっちゃけ「2ちゃんねる」の事ね)の「独身男スレッド」に対処の方法を求める
彼らの助言を元にスレッド内で「電車男」というHNがついた彼は
カップの送り主、通称「エルメス」に奇跡のアタックを開始した
一応説明しておきますが
この物語は「2ちゃんねる」スレッド内で実際に行われた電車男×名無し住民のやりとりを元に
原作プロットを起こし映画化した作品です
元ネタが元ネタだけに真実は50%というところでしょう(仮に電車男とエルメスが実在したと仮定した上ででも)
原作読みました
2ちゃんねるもよく見に行ってます(ニュ−ス関連)
ここでは何度も言っていますが俺は現在進行形のアニオタです
事実数年前まではヒキコモリに近い生活をしていました
作中の電車男と同じように
「他人はみんな己の敵だ」みたいに思ってた時期が俺にもあったんですよ
あまり外に出ないもんだから服装も髪型もかなりいい加減でした
でも今の彼女と出会って外に出るようになったんです
だからある意味
この映画の電車男は数年前までの俺そのものなんですよ
なので非常に共感しつつ観ていました
俺には電車男の葛藤が痛いほど理解できます
コンプレックスの塊でアキバ系アニオタの自分と
容姿端麗で清楚なエルメス嬢
どう考えても己には不可能な領域だと思ってしまいますよ
でも、それでも最終的には己の全てを曝け出して思いの内を打ち明けた電車男
そして傍観しつつも精一杯アドバイスを送り彼を励まし、時には叱りつけ
たまに電車男に関係なく盛り上がった(笑)2ちゃんねるの名無し達
発生元が何かと悪名高い「2ちゃんねる」だけに色々と複雑だったのかもしれませんが…
最初、お礼の電話をしようかどうか悩んでいた電車男
彼に対してとある名無しが言った一言
「相手の女は一人だが、おまいには2chがついている。そういう事だ」
これ以上強力なバックアッパ−はいるでしょうか?
そして告白しようとする直前
自分とエルメスの住む世界の違いに絶望する電車男
そんな彼に言ったとある名無しの一言
「エルメスんち行きのチケットはJTBじゃ売ってくれないわけ
エルメスに招待してもらえるやり方なんて誰も教えてくれないわけ
今更うだうだぬかしてっとぶっ殺すぞマジで」
この辺が彼らの優しさなんだと俺は思う
そしてこういう連中に背中を押してもらえた電車男が羨ましく思える
オタクだって頑張ればなんとかなるんですよ
「好きな人にどうしても打ち明けられない」という人たち
「JTB発言」の彼ではないが
俺から言わせてもらえれば
「君達は結局のところどうしたいんだ?
何もしなかった後悔っていうのは後々になって響いてくるぞ?
今出来ることを精一杯やってから結果を待てばいい
それだけの事じゃないのかい?」
「電車男」が実在するにせよしないにせよ
少なくとも俺はこの本と映画から得る物は沢山あった
それだけはしっかり確信している
※注意
インタ−ネットで実際にやり取りがあったとはいえ
それを全部「実際にあったこと」と断定するのは
フィクションを真実と受け取ってしまう事と同じです
これはあくまで「映画」としての話
これから観る人は「電車男」をフィクションとして純粋に楽しんで欲しいものです
それと巨大掲示板サイト「2ちゃんねる」はかなり特殊なサイトです
電車男で一躍トレンドになりつつあるとはいえ
素人考えで書き込むのは書き込んだ本人にとっても危険な行為ですし
名無しの住民達にとっても非常に迷惑な行為になる場合があります
もしも今後「2ちゃんねる」に触れる機会があった場合にでも
読む前・書き込む前に一旦冷静になって「インタ−ネット情報」の事を考えてみてください
1ネットユ−ザ−としての心からのお願いです