超常的な力は幸か不幸か、神か悪魔か
NIGHT HEAD
1992年 飯田譲治監督作品
出演・豊川悦司、武田真治、小島聖、奥菜恵、篠井英介他
「ミサキデマツ」
この謎のメッセ−ジを受けた霧原兄弟
兄の直人(豊川)は極めて強力な念動力(サイコキネシス)を持ち
弟の直也(武田)は制御不可能のリ−ディング能力を持って生まれた
彼らはその特異な力故に両親から捨てられ研究所で育つもそこから脱走
普通の人間を演じ町で暮らすも、その力にちなんだ様々な事件に巻き込まれ
二人は更に傷ついていく
「二人は普通のヒトよりほんの少し先に進んでいて
そのせいで傷ついてきたけれど
これから起きる大きな変革に欠かせない存在なんだ
…でも…それを望まない人たちもいる…」
放浪の末、二人はある日とある交差点で挙動不審な男の残像を見る
とある学校の教師だったその男は、一人の少女「アマモトサキエ(小島)」を二人に託す
彼女は「自分の感情が周囲に伝染する」という強力かつ不可思議な力の持ち主だった
ところがサキエは貿易企業(を偽装した超能力者集団)「ARK」に狙われるも
そこが自分の安息の地だと思い込んでしまう
サキエの力と霧原兄弟の運命、ARKの思惑が絡んだ不思議な事件に
兄弟は巻き込まれていくが…
最初に言っておきますが
この映画ある意味微妙です
飯田譲治監督の作品は「アナザヘヴン」等がありますが
アナザヘヴンにも見られるように大味な感じがします
もっともテ−マの重さ、全体を漂う暗黒の雰囲気
これはアナザヘヴンの比ではありませんけどね(笑)
1992年に深夜放送枠でカルト的なヒットを飛ばした「ナイトヘッド」
超能力者は確かに不気味な存在なのでしょうけど
それ以上に「普通」の人間とやらのダ−クな部分
そういった物が散りばめられており
「人間の本来の恐ろしさや醜さ」を露呈した作品だとも思えます
そういった意味で下手なホラ−映画よりよっぽどゾッとすると思います
ただこの兄弟
弟の虚弱体質もあるんでしょうけど
普段から抱き合うのはどうかと思うぞ人として(笑)
TSUTAYAでのレビュ−には「美しき兄弟愛」となっていましたが
それを通り越して「ブラコン?」と思えてしまうほど
豊川悦司と武田真治の抱きあいがしょっちゅう見られます
ワ−イ腐女子大興奮(笑)
まだ若いトヨエツと少年面の武田真治
どうよ!モニタ−の前の腐女子のキミ!
最高のシチュエ−ションじゃないかね!?(おい)
これを初めて見たのは中学生の頃(高校んときかな?)
当時はAKIRA以外でダ−クな映画を見た事が無かったんですけど
今の俺の「黒い映画好き」はこのときに確定されたんじゃないかと
超能力の表現が結構リアルで
アニメの様に「気」が光線になって攻撃したり
そういうのが無いだけ凄くリアル
途中でトヨエツが再起不能になるシ−ンがあるんですけど
そこで見せられた幻覚なんかはもう凄まじいの一言
元々TVドラマだったわけですが
そういう作品の劇場版はTVを見てないと解りづらい部分があるのが普通ですけど
これに関しては劇場版がある意味独立した物語になってるので
※それでもしっかりTV版との繋がりもある
初めて見る人にも不可解な部分が少なくて済むんじゃないでしょうか?
そういう意味では見やすいかもしれません
もっとも大量の血や死体を直視するだけの精神力があればの話ですけど(ニヤリ)
賛否両論起こってますし
最近の飯田譲治の映画ははっきり言って好きになれません
※「ドラゴンヘッド」「アナザヘヴン」等
一見の価値があるかどうか俺の口からですら言えないのが現状ですが
まぁこういうのも過去に見てたわけで
報告までにレビュ−書いてみました
※
「ナイトヘッド」とは
人間の脳の中で普段使用していない70%の部分
TV版やノベライズでは
「人間としての許容範囲は脳の30%が限界で
それをオ−バ−すると人間とは一線を離れた存在になってしまう」
そういう「普段は機能しない脳」という意味合いの造語です