果てしなき暴走はそこに存在している意義と共に

いつかギラギラする日

1992年 深作欣二監督作品
出演 萩原健一、名取裕子、木村一八、荻野目慶子、千葉真一、石橋蓮司他

神崎(萩原)は流れ者のギャング
日頃から2人の仲間「ト(千葉)」「井村(石橋)」と共に
銀行を襲いその金で隠れ家で暮らしている
あるときそこに飛び入りで参加したライヴハウス経営者の角町(木村)の提案で
北海道のリゾ−ト地で集金された金を積んだ現金輸送車強盗を企てる
4人になったギャングは、予定通り某峠で現金輸送車を強襲、現金を強奪する
…が
予想(2億)より積まれていた現金の総額が低く(5千万)
総額は当初決めていた取り分の一人分しかない体たらく
角町は躊躇する事もなく3人のギャングを裏切り
井村を射殺、トに重症を負わせ金を奪って逃走
神崎は冷徹に角町の追跡を開始するが…

最近ではバトルロワイヤルの印象が強すぎて
深作=バトルロワイヤルのイメ−ジが若い人にはあるのかもしれません
俺がこの映画を初めて観たのは丁度中3のとき
当時はなんていうか荻野目慶子のパ−ぶりと
萩原健一に対する嫌悪感が強かったと思います
あ…ショ−ケン嫌いなのは今でもか(笑)
今考えるとギャングキャラは「素」だったんじゃねぇか?ってくらい
見事にハマり役だったと思います
逮捕されちゃったしねショ−ケン(笑)

映画の内容としては若者にウケる…微妙
年配にウケる…微妙
な、ちょっと中途半端なテイストなのかもしれません
上記のように若い人にはバトルロワイヤル(青春映画)のイメ−ジが強いだろうし
年配の人には「仁義無き戦い」のイメ−ジが強いと思います
劇中にはヤクザ(八名信夫さん…おぉ悪徳商会/笑)も出てきますが
なんていうかヘタレキャラで通ってます
某レビュ−でも書いてた事なんですが
黒い雰囲気を出してたのはヤクザお抱えのヒットマン役の原田芳雄さんと
靴屋兼武器屋の安岡力也さんくらいかな
何気にキャスティング豪華だぞおい(笑)

ブル−スブラザ−ス・ゲッタウェイ等の古典的アメリカギャング映画だと思って観れば
そこそこ面白いんじゃないかな?っていう感覚です
まぁ要するに
こんなん日本じゃ普通にありえませんから!残念!みたいな描写が結構あるという(笑)

この映画が発表された当時は何かで見たけど
「昨今稀に見る問題作!」とかいうキャッチフレ−ズだったと思う
その割には何気にスル−されてた映画でもあったんだけれど
君子危うきには…ってやつか?
バトルロワイヤルとはまた違うベクトルで暴力描写が結構あるし
確かに問題っていえば問題かも

あと余談だけど
この映画には木村一八が主催するライブハウスのハコバンが登場しますが
彼らは実在した「ジャクスンジョ−カ−」というバンドで
JUDY AND MARRYの恩田君が所属してたバンドなんですよ
よって恩田君もしっかり登場しています
ちゃんと一言台詞もあったしね(笑)

バトルロワイヤルにあったようなメッセ−ジ性は皆無
アクションも邦画の欠点が丸見えになったような感じ
ぶっちゃけ邦画はアクションに向かないと思う
特に衝撃を受けるわけでもなく2時間経つと思いますが
それでも見たいという方はどうぞ
俺はもういいや、一回観たし(笑)